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時屋ステンドグラス 講演会のお知らせ
来月、原村文化祭&図書館祭「秋の芸術と本のフェス2025」の一企画として、原村図書館でステンドグラスの講演会をすることになりました。
開催日時は11月9日(日)の午後1時半から午後3時まで。原村図書館の2階大会議室で行います。
講演会タイトルは「ステンドグラス ー光の芸術ー その歴史や技法を知る講座」です。
私が旅したヨーロッパの大聖堂のステンドグラスをスライドで紹介したり、釉薬での絵付けの様子を間近で見ていただいたり、ご希望の方に実際にガラスを切っていただたり・・・。ステンドグラスのことを知っていただける楽しい内容を準備しています。たくさんの方にご来場いただきたいです。
11月9日、お時間がありましたら、ぜひ原村図書館にお越しください。
コンポジション「キッチンの窓」
当工房に通ってくださっているAさん作のステンドグラス窓をご紹介します。
「キッチンにある縦長の窓に、光を遮らずに適度な目隠し効果のある窓をつけたい」というご希望で作り始めた窓。直線のみの平面構成で、透明の型板ガラスの中に鮮やかな色ガラスを適度にちりばめたシンプルなデザインです。Aさんの選んだビタミンカラーがキッチンにふさわしい明るさを演出しています。色のない透明ガラスも、表面にゆらぎのある型板ガラスなので、向こうの景色が適度にぼやけて目隠し効果があります。雰囲気がありますよね。
寒い地域のため、冬に結露の手入れができるようにあえてステンドグラスの上下に「隙間」を作るように窓をセッティングしました。湿気がたまらず、拭き掃除が容易になるように工夫しました。
設置後、Aさんから写真付きのメールが届きました。「1日の中で、光の表情が変わるのが素敵です」とのこと。ステンドグラス越しに斜めに光が差し込んで、美しい! ずっと眺めていたくなるキッチンになりました。
小鳥の木
こんにちは。久しぶりの投稿です。
今日は、生徒さん作の「小鳥の木」のステンドグラスをご紹介します。
この作品は、生徒さんが数年かけてコツコツ作ってきたものです。当工房で最後の仕上げ(ハンダの仕上げと外周の真鍮補強)をし、このたびめでたく完成しました。シンプルなデザインで、6羽の小鳥が可愛らしいです。当工房に置いていた間に教室に通ってくださるほかの生徒さんにお見せすると、皆さん「わー、可愛い!」とおっしゃる人気の作品でした。特徴的なのは、その八角形のデザインです。円形とも四角形とも違う雰囲気がありますよね。
枝で羽を休める小鳥たちは、絵付けピースになっています。仕上がった背景に最後にハンダで取り付けました。
葉に使った数種類の緑色のガラスと、背景の透明な流れのある高級水色ガラスが、光に透かすととても綺麗です。そして、絵付けパーツの小鳥たちが枝にとまる様子が絵本のようです。シンプルながら、一目見て印象に残る素敵な作品になりました。
生徒さん作「魚座」の窓
5月も下旬になり、小さかった木々の葉っぱがどんどん成長しています。あっという間に初夏の風情です。
今日は、先日完成した生徒さんの作品をご紹介します。この作品は生徒さんのM様がご自身が原画を描きました。テーマは「魚座」です。
シンプルな線、深い青色の背景と水色の魚、黄色の星、絵柄の構成が非常にすっきりしていて、しかも深みがあります。その深みの秘訣は絵付けによる「陰影」です。背景にはいわゆる普通の青いガラスを使っていますが、影をつけることで、夜空のような神秘的な雰囲気が出ます。水色の魚や黄色の星の部分も、影をつけ、さらにランダムに引っ掻くような模様をつけたことで、ガラスに非常に凝った質感が出ています。M様がご自身の感性でつけた模様が素晴らしい効果をあげています。美しい絵本のようですね。
絵付けの前と後では印象がまるで違うのがおわかりいただけると思います。
M様は星座シリーズで連作予定で、いまは「水瓶座」に取り組んでいらっしゃいます。こちらもご自身のデザインで非常に素敵に進行中ですので、完成したらご紹介しますね!
蘇ったアンティークステンドグラス
こんにちは。工房のすぐそばでカッコウが鳴く季節になりました。「カッコウが鳴くと野菜の苗を植えてもいい」とはこのあたりの方によく聞く言葉です。確かに、この間バジルを植えたら、その夜に氷点下になってしまって葉が黒く変色してしまいました。5月でも寒い原村ですが、いよいよカッコウが鳴いたので、今年もいろんな苗を植えてみようと思います。
さて、今日は昨年取り付けたアンティークステンドグラスの間仕切りをご紹介します。ずっと倉庫に眠っていたステンドグラスを修復し、空間の間仕切りとして設置することになりました。もともと木製の窓枠に入っていたのものですが、木枠を解体してステンドグラスだけを取り出し、歪みや割れを直しました。大きな窓で、しかもかなりしっかりした作りの窓枠でしたので、外すのがかなり大変でした。ステンドグラスを囲む4辺が固いパテで固定されているのですが、そのパテをガラスを割らないように注意しながら少しずつ割りとっていくのです。古い作品ですが、パテを削ると当時のオレンジオイルのいい香りがしました。
修復が終わり、もともと木枠だったところにデザインをつなげるような新しいパネルを作成し、いよいよ取り付けです。施工業者の方にサイズをお伝えし、特注のスチール枠を作っていただきました。設置場所は背景に窓のある空間でしたので、表からも裏からも、非常に美しく見えます。1セット5枚のパネルが同デザインで2セット。一枚ずつフレームに取り付けていきます。
透明ガラスを使ったアンティークステンドグラスでしたので、窓の外の美しい木々を隠すことなく、軽やかで透明感のある間仕切りになりました。スチールフレームもとてもモダンで、現代的な建物にステンドグラスがアクセントになっています。設計士の方と施主さまのセンスが素晴らしいなと思いました。保管されていた時の姿を知っているので、美しく蘇って新たな建物に設置されたことが本当に嬉しかったです。









