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2025 / 04 / 25 15:20
フランス製アンティーク窓のリメイクが完成しました

大変久しぶりの投稿です。なんとおよそ1年ぶり。この1年間、大きな作品の修復や取付をしておりました。それが一段落しましたので、この1年間の仕事を時間を遡ってご紹介していきます。まずは、まさに今日、修復が終わった作品です。
お客様がフランスから直輸入された2枚の窓。それを、割れたガラスの取り替えや補修をしつつ1枚の窓に仕立てる修復です。
19世紀後半フランスの絵付の窓です。同じデザインで2枚あります。リップルガラスという凸凹のあるガラスに絵付したり、赤い被せガラスの表面を酸で融かして透明にしたりと、非常に凝った技法を駆使した作品となっております。また、特筆すべきはガラスカット。当時の職人の腕自慢でもあったのでしょう、丸く抉られたガラスカットがされていて、見応えがありつつも、反面そこが弱点で、年月を経てその部分が割れてしまっていました。
今回は、割れたガラスを交換し、一部をブリッジで修復した上で、2枚の同じデザインの窓を上下につなげて1枚にするという修復をしました。
使われているリップルガラスは、青色の流れのある非常に美しいものでした。平らな面から線を絵付けし、さらに陰影もつけています。透かすと非常に美しいです。
完成! 2枚が違和感なくつながり、上下のリップルガラスの青色と、被せガラスの赤色が印象的です。中央部が透明なので、軽やかで上品な仕上がりとなりました。